神々の誕生 3:神代七世 後編

またここまでは、「天」や「地」が形作られるための神様が出現していました。
「空」が生まれ、「地」が生まれ、地表を土砂が覆い、「空」と「地」とハッキリとした境界線が生まれ、「地」は強度を保った大地となりました。
こうして、神様が生活することが出来るだけの基盤が整ったのでした。

宇比地邇神(うひぢにかみ)から大斗乃弁神(おほとのべのかみ)までの6柱は兄と妹ではありましたが、男女の象徴を持つ神様ではありませんでした。
男女という性が確固として定まっていない神様同士、結婚していたのです。


ここで初めて、男女の象徴の神様が出現します。
兄が於母陀流神(おもだるのかみ)で、妹が阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)です。

前に述べたとおり、日本の神様は事が起こる前に事そのものが神格化した神が出現し、神様が出現することで事が行われます。
於母陀流神と阿夜訶志古泥神という男女の象徴の神様が出現したことで初めて、「男」「女」という性別が各々の役割をもって定まったのです。

そうして最後に、伊邪那岐神(いざなきのかみ)と伊邪那美神(いざなみのかみ)が出現しました。
伊邪那岐神と伊邪那美神は他の神々と違って、精神的にも肉体的にもはっきり「男」と「女」の区別がなされた神様です。

このような神様が出現したことで初めて、神様同士まぐわいが出来ることになりました。
まぐわいが出来るということは、神様同士で夫婦の契りを交わして、子供を生むことが出来るようになったということです。

これまでは自然と「出現」していた神様ですが、この2柱の神様のまぐわいによって神々が「誕生」することになります。
だからこそ伊邪那岐神と伊邪那美神は、夫婦の祖神(最初の神)とされているのです。

男女のペアとなっている神は、二柱で「一代」(ひとよ)と呼びます。
国之常立神と豊雲野神、五代の神を合わせて、「神代七代」(かみよななよ)と呼びます。

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