神々の誕生 2:神代七世 前編

日本の神話は、「別天神」(ことあまつかみ)と呼ばれる5柱の神様の出現から始まります。

日本の神様は森羅万象を司るのではなく、森羅万象そのものが神様です。
例えば花が咲く時。
まず花が咲くことを神格化した神様が生まれ、神様が生まれたことで花は美しく咲き誇ります。

日本の神様はこのようにして、事が起こる前に事そのものの神様が現れ生まれて、そうして初めてその事が行われます。
だからあらゆる事象に神様の存在があり、常に私たちの生活の中に潜んで様々な影響を与えてくれる。
そんなとても尊い存在、と考えられていたのです。

さて、神様はどんどん出現していきます。

国之常立神(くにのとこたち)という神様と、豊雲野神(とよくものかみ)という神様が出現しました。
こちらの神様も同じく独り神で、すぐに姿が見えなくなりました。

国之常立神が現れたことで、今度は「地」が永久的に出来上がります。
これで「天」と「地」と揃ったことになりますが、この時は「天」と「地」が今のような「天」が上で「地」が下でという風に定まっていませんでした。
「天」が下で「地」が上になったり、あるいは「天」と「天」の間に「地」になったり、ということになりかねないような、大分混沌とした世界でした。

豊雲野神は、物事が次第に固まることを神格化した神様です。
この神様が生まれたことでそれまでふわふわと頼りなかった「天」と「地」が、今のような上に「天」・下に「地」という状態に固定されました。

ここから先は兄と妹の男女ペアで神様が出現し、兄と妹で結婚します。

神様の世界では、兄と妹で結婚するのは理想的な結びつきとされています。
神様でないと兄妹で結婚出来ないので、だからこそ神様でない者が兄妹で結婚をすることはタブーとされているのでしょう。

男女ペアで最初に出現したのが、泥土と砂土の神様です。
泥土の神が兄の宇比地邇神(うひぢにかみ)で、砂土の神が妹の須比智邇神(すひぢにかみ)です。
地の位置が定まったので、地表を覆う土や泥の神様が出現したのです。

次に境界線の神様が出現しました。
兄が角杙神(つのぐいのかみ)で、妹が活杙神(いくぐいのかみ)です。

今度は、固まった大地の神様が出現します。
兄が意富斗能地神(おほとのぢのかみ)で、妹が大斗乃弁神(おほとのべのかみ)です。
ふわふわした大地では生活が出来ません。
そのためこのような神様が出現することで、地面に生活することが出来るくらいの強度が生れたのでした。

このように神様が生まれるたびに世界はどんどん形成され、神々が住むことが出来るくらいの土台が造られていきます。

※当サイトへのリンクを歓迎いたします。
(管理人へのご連絡は不要です)
PAGE TOP