伊邪那岐命と伊邪那美命 2:結婚やり直し

伊邪那岐神(いざなきのかみ)と伊邪那美神(いざなみのかみ)は、さっそく柱の前に立ちました。

伊邪那岐神は
「貴女は右から、私は左から、それぞれ柱を回りましょう。」
と言いました。

伊邪那美神がそれに同意して、2柱は天之御柱をぐるっと回りました。
柱の反対側で、お互い顔を見合わせました。

するとまず伊邪那美神が
「ああ、貴方はなんて好い男なのでしょう!」
と言いました。

続いて伊邪那岐神が
「ああ、貴女はなんて好い女なのでしょう!」
と言いました。

お互いがお互いを褒め讃えた後、伊邪那岐神は考え深げに
「女の方から言うのはよくないのではないでしょうか。」
と言いました。

ともかく気を取り直し、2柱は寝所にこもって夫婦の契りを交わしました。

生まれた子供は手足の無い水蛭子(ひるこ)でした。
2柱は悲しみに暮れながら、葦の舟にこの子を入れて流しました。

次に生まれた子供は淡島で、泡のように小さく頼りない島でした。
水蛭子と淡島は、子供として数えないことに致しました。

なかなかちゃんとした子供が生まれないので、伊邪那岐神と伊邪那美神は困って話し合いました。
その結果、天にいる神々に相談する、ということになりました。

すぐに2柱は高天原にのぼり、天の神々の意見を求めました。

天の神々は太占(ふとまに)で占い、
「女から先に声をかけたのがよくなかったようだ。今からまた地上に戻って、初めからやり直しなさい。」
と言いました。
太占とは、鹿の骨を焼いてそのヒビの入り方で吉兆を占う占いのことです。

天の神々のアドバイスを受けて、伊邪那岐神と伊邪那美神はもう一度淤能碁呂島に戻りました。
さっそく伊邪那美神は右から伊邪那岐神は左から柱をぐるっと回り、反対側で顔を見合わせました。

そうして今度は伊邪那岐神から
「ああ、貴女はなんて好い女なのでしょう!」
と言いました。

続けて伊邪那美神が
「ああ、貴方はなんて好い男なのでしょう!」
と言いました。

このようにして、お互いを褒め讃えるところから結婚の儀式をやり直したのです。
そうして改めて、2柱は寝所にこもって夫婦の契りを交わしました。

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